病気やケガの治療には、痛みを伴なうことが多々あります。
ペイントコントロールとは、苦痛となる痛みを抑える治療法です。
ペイントコントロールは必要?
最近の研究で、「痛みの刺激」は、不快・苦痛・生活の質の低下をもたらすだけではなく、体にとって様々な悪影響を及ぼすことが明らかになってきました。
例えば、
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免疫力を低下させる。
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痛みが長く続くと、痛みを伝える神経が「痛い」という信号を持続的に送り、原因が無い(治っている)にも関わらず「痛い」という感覚を生じさせる。
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慢性疼痛によるうつ状態や認知症状の進行。
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手術時において麻酔が不安定になる。
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痛み自体がその周囲に痛みを広げていく。
「痛みの刺激」は、病気やケガに伴う副産物として扱うのでなく、痛み自体を病気と捉えて扱う事の重要性が認識されています。
動物たちが出す「痛み」のサイン
もともと動物達には痛みを隠そうとする習性があります。そのため動物たちが痛がっていることに気がつかず、発見が遅れてしまうことがあります。原因となる病気やその痛みの種類によって動物たちが出すサインは様々です。
次のような行動の変化があった場合は痛みのサインかもしれません。
分かりやすいサイン
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昔に比べて体を触られるのを嫌がる
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じっとして動かない
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イライラしている
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ケージから出たがらない
分かりにくいサイン
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目を合わせたがらない
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尻尾が下がったまま
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以前に比べて散歩に行きたがらない
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座る時や立ち上がる時の動作が以前と違う、またはゆっくりになった
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段差を嫌がる
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おもちゃなどに反応しなくなった
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食欲が落ちた
※ 痛みを伴わない他の病気でもこのような症状が出ることはあります。特に慢性的な痛みの場合は痛みのサインに気付きにくいことがあります。
ペイントコントロールが必要な治療
以下のような場合に、ペイントコントロールによる治療方法をお勧めしています。
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手術における鎮痛
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変形性関節炎の慢性的な関節の痛み
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神経痛
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猫の特発性膀胱炎
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腫瘍に伴う痛み
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膵炎などによる腹膜炎などの強い痛み
痛みに対するケアを重要な治療ととらえ、安全で体にやさしい診療をおこなっています。また、必要がある場合は専門的な治療を行うことのできる麻酔科医の紹介もおこなっております。